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ストレッチとマッサージは筋肉を逆に硬くする?

普段何気にとっている行動が、更に筋肉を硬くさせる?!

もし、肩こりがひどくなった時、あなたならどうしますか?肩もみや、クイックマッサージ、お風呂に入る、ストレッチをするなど、色々な対処方法を思いつかれたと思います。
もし、今あげたようなことが、実はその場しのぎでしかないとしたら。さらには、下手をすると、肩こりや腰痛を悪化させているかもしれないと言うと、あなたはどう思うでしょうか。
今回は、なぜ筋肉は硬くなるのかということと、マッサージやストレッチが硬くなった筋肉にどのような影響を与えているのかを書いてみたいと思います。

肩もみに行けば行くほど気持ち良くなる?

さて、肩こりをお持ちの方ならクイックマッサージや肩もみに行かれたことが少なくともあるのではないでしょうか。マッサージや肩もみを受けて、いかがだったでしょう。恐らく、マッサージを受けている間は非常に気持ち良かったと思います。
ただ、その気持ち良さはそんなに持続しなかったのではないでしょうか。また、マッサージに行けば行くほど、揉まれることが気持ち良くなったり、もっと強く揉んでもらいたくなっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。。
なぜ、マッサージを受けている最中と直後は気持ち良くても、しばらく経ったら元に戻ってしまうのか。さらに、マッサージに通えば通うほど、マッサージが気持ち良くなったり、もっと強く揉んでもらいたくなるのか。肩こりや腰痛の痛みが発生するメカニズムと、筋肉の仕組みを簡単に説明しながら、その理由をご紹介します。

肩こりや腰痛の痛みはどこからくるの?

肩こりの場合、筋肉が硬くなったことが原因というのは何となくほとんどの方が感じていると思います。意外かもしれませんが、腰痛なども神経そのもに何か問題があると言うよりも、むしろ筋肉が硬くなっておこっているケースが多いのです。では、筋肉が硬くなるとなぜ痛みが出てくるのでしょうか。
筋肉が硬くなるということは、筋肉が縮んでいる状態だと思ってみて下さい。絶えず力こぶを作っている状態なのです。つまり、ギューッと縮んだ状態が、筋肉が硬くなった状態と言うことです。力を抜いているつもりでもギューッと絶えず力が入った状態(私達はこの状態をロック、又は拘縮と呼んでいます)が長く続くと静脈のポンプとしての役割が果たせなくなってきますので血流が悪くなってきます。血流が悪くなるとその分運ばれてくる酸素の量が減ってしまい、酸欠状態になります。酸欠は細胞にとって大きなダメージになります。そこで、酸欠であることを脳に知らせるために、ブラジキニンなどの痛み物質が生成され始めます。その痛み物質が痛みの原因と言うことになるわけです。
詳しくは「腰痛の原因ー筋肉による痛みの発生メカニズム」のページでも説明していますので、ご興味がある方は、このページの下に記載している関連ページからご覧下さい。

マッサージやお風呂で、肩こりや腰痛が一時的に良くなる理由

酸欠が痛みの原因だとしたら、血流を良くしてあげれば痛みは消えるはずです。実際にマッサージやお風呂に入って、血流が良くなると痛みが楽になるはずです。ただ、ここで気を付けなければいけないのは、マッサージやお風呂で血流は良くなりますが、筋肉そのものは柔らなくなっていないと言うことです。
お風呂から上がってしばらく経って元の体温に戻ったり、マッサージで無理矢理血流を良くしていたのが普通の状態に戻ったら、筋肉そのものが柔らかくなっていないので、結局血流が悪くなり、再び痛み物質を生成し始めるのです。
腰痛や肩こりを改善しようと思ったら、筋肉そのもを改善しなければ意味がないと言うことをご理解頂けたのではないでしょうか。

肩がこるのは、あなたを守る為

筋肉そのものを改善する為には、なぜ筋肉がロックしているのかを知る必用があります。
もし、筋肉が硬くなることが悪いことだとあなたが思っているのであれば、それは少し筋肉の事を誤解しているかもしれません。筋肉が硬くなる仕組みがなかったら、私達はもっとひどい怪我や下手をしたら命を落とすことだってあり得るのです。
筋肉が硬くなる理由は別の機会にもっと詳しくご説明しますが、筋肉が硬くなるのはあなたを守るために硬くなっているのだということを覚えていて下さい。

ストレッチやマッサージが逆効果になることも

もし筋肉が体を守る為に硬くなっているのだとしたら、一生懸命護っているところに力を加えたらどうなるでしょうか。
想像してみて下さい。あなたの手のひらの中に一生懸命護りたい物があるとします。一生懸命守る為に、あなたは絶えず両手をぎゅーと握りしめている状態です。そんな時に、見知らぬ人が急に来て、あなたの両腕を無理矢理引っ張ろうとしたら、あなたはどうしますか?恐らく、自分が護ろうとしている物を更に護ろうとして手のひらに力を加えるのではないでしょうか。例え、その人があなたの護ろうとしている物を一緒に護ろうと思ってくれていたとしても・・・。
無理なストレッチや、マッサージはこれと同じ事をしている可能性があるのです。
では、逆にあなたはどんな時に護りたい物を一生懸命護っているその手の力をゆるめる事が出来ますか?
 
そうです、安心した時ですよね。もう護る必要がなくなった時に、護りたい物を守る為に握り締めていた手の力を抜くことが出来ますよね。筋肉は一緒なのです。
まず、私達がしなければいけないのは、筋肉に「それ以上体を護る必用はない」と言うことを教えてあげる必用があるのです。

筋肉の状態と、何をしたいのかでやるべき事は変わってくる

決してマッサージやストレッチが悪いと言うことを言っているわけではありません。筋肉の状態とシチュエーションによってやるべき事が変わってくると言うことをお伝えしたいのです。例えば、運動の後などであれば、疲労物質を流すのにマッサージは非常に有効です。また、運動の前と後のストレッチは、筋肉に運動をする準備とクールダウンをさせるのに非常に有効です。筋肉に良いからと言うことで、全部をいっしょくたに考えてしまうと、逆効果になることもあるという事をお伝えしたいのです。
 

著者プロフィール

鮎川史園 (あゆかわ しおん)


ミオンパシーサロン
ゼロ化整体出張施術」代表セラピスト
整体院「いぎあ☆すてーしょん白金台」院長
 
主な著書
「体の痛み」の9割は自分で治せる(PHP文庫)
仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ(自由国民社)
たった90秒!カラダの痛みを自力で治す本(笠倉出版)

子どもたちが笑顔になるためには、親の世代を笑顔にするしかない!笑顔を作るために日々精進しております。

 
お問い合わせ先:050-7119-1040

 
 

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